ビツクリハウス

 

DSC_0122

DSC_0125

 
小さい頃は毎年稚内に行っていた 祖父の家のすぐ横にこどもの国という遊園地があった タロージローのジローがまだ生きていた
わたしにとってその遊園地はたぶん原点 今のわたしをつくったと言ってもいい 鮮明な記憶
特に「ビックリハウス」 外からはただの普通の三角屋根の家 でも壁に顔が付いてる 笑ってる でも怖い
中に入ると床の間があって なぜか日本人形が飾ってある ガラス張りの壁面もある そして椅子に座ると家全体が恐ろしい勢いで回転する
驚異的 意味がわからない こどもながらにその真っ暗な空間に入り込んだ瞬間 日本ではない異空間に来てしまったのだと
あと「ミラーハウス」 全面床も天井も全面鏡張り 迷路になってて いつまでたっても出口に出れない 人が来てもその人の所に行けない
おでこもぶつける ただただ急いで出ないと行けない気がした でもそれを毎年何回も入っていると逆に中に居る事がたまらなく快感になるのだ
仕舞に中で寝始める 自分の身体が小さくなったような気がしたのをよく覚えている 

変な顔とか変なポーズをいっぱいした しかも妹に見せようとしても妹の居る角度からは見えなかったりする
外の世界が何時なのかわからなくなる感覚 出口から出ると信じられないくらい日差しが強烈で眩しくて 
人間世界に戻った終了感 そんな事を 近所のこの可愛らしい家の前を通るたびに思い出す どんな方が住んでいるんだろう

Jun. 7. 2010
--